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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

はじめまして、伴 尚志と申します。


一元流鍼灸術はいわゆる中医学ではありません。けれども東洋医学
の中心を貫いている「一」の観点について述べているものです。そ
してそれは、東洋医学を理解する上で必須の基本的なものです。
(このあたり、総論で述べているとおりです。総論がもっとも大切
です)

ですから、東洋医学の基礎を学ぶためには、一とは何か存在とは何
かということに疑問と興味を持ちながら「一元流鍼灸術の門」を文
字の表面ではなく、より深く読んでいくことをおすすめしています。

二番目のご質問でもわかりますが、どうやら言葉の意味や定義を追
い求めることが勉強して知ることであると、Nさんは思われてい
るようです。

「一元流鍼灸術の門」で述べているものはそれとは異なります。言
葉を越えた生命そのものを探求する、それを古人とともに行うこと
を目標としています。このあたりのこと、私のホームページやブロ
グにさまざま述べていますので参考にしてください。

また、三焦論や営衛論の類については、私のホームページの中の
「難経鉄鑑」のページで詳細に検討されています。臓腑と経絡そし
てそれらを包括する生命そのものについて、実際の状況を想像しな
がら考えを深めて行かれると、実り多いものとなると思います。

> こんにちは。
>
> いきなりですが、板先生に質問です。
>
> 一源流鍼灸術の門を読み込んでいるのですが、どうしても基礎的なものが抜けてしまいます…
>
> 中医学の基礎を学ぶためにおすすめの本などはございませんでしょうか?
>
> もう一つは、生体を構成する基礎部物質は気・血・津液・精・神と各種の本に書いているのですが、その中でも
> 【津液】について疑問に思うことがあります。
>
> 津液は、腎陽の蒸騰気化、脾胃の運化、により飲食物から生成された水穀の精微の水液の部分ですよね。
> 一部は脈中に入り血液成分となり、他は脾の昇清によって肺に上輸されます。そして肺の宣発により三焦を通じて全身に布散されます。
>
> 「肺の宣発により三焦を通じて全身に布散されます」というところに疑問を覚えます。
>
> これを理解するには、肺に上輸された津液が六腑の三焦の経絡に入りこんで全身に循らせられるのか?
> それとも上焦、中焦、下焦としての三焦として津液が循っていくところがあると理解すればいいのでしょうか??
>
> 基礎的なことですいませんが教えてください。
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大船渡市三陸町 綾里の思い出


大船渡が今回の津波によって街後とながされている状況なのでおそらくその一つ北の港である綾里という小さな港町は完全になくなっているの可能性があります。私はそこに小学校入学前の一年間と入学後の二年間の合計三年間、住んでいました。

僻地治療を行いたいという希望を持っていた父が、その無医村に招かれ家族共々生活することとなったものです。家をあてがわれ、父が来るということで病院も作られ、多大なもてなしを受けました。

村はお金はないけれども自然が豊富で、竹藪を覗くとキジが鳴いており、海には鮑(あわび)や海栗(うに)がはびこっていて、浜に行くと昆布や若布や緑の藻が流れ着いていました。天気のよい日、石浜という名の石ばかりの浜で私は、その昆布を石で叩いておやつ代わりによく食べました。岩にくっついている大きな鮑を無理に引きはがしたら、鮑の身がべろんべろんと暴れ、あまりにも恐くて驚いて投げ捨てたことがあります。磯に生えているイソギンチャクに細い棒を突っ込んで遊んだりもしました。シュッと水を吐いて縮むイソギンチャクが面白かった。

患者さんは当然村人で、治療費を後払いにする人もいたのでしょう。そのような村の人々の中には、雉を撃ってそのまままるごとぶらさげてきたり、獲れたての鮭を一本持ち込んだりして母を驚かせ怖がらせたものです。台所に行くとよくムラサキウニがボールの中で動いていました。よく食べた鮑の香りは今も口の中にあります。

丘の上にある家から、三メートルはあろうかという大蛇を村人が総出で退治しているところを見たこともあります。

小学校に上がり、馬小屋があり馬糞の匂いのする友人の家の縁側に座って田圃(たんぼ)を眺めていた夕方、日が暮れると風に靡くように光の壁が揺れていることがありました。群生している蛍の光りでした。あの海の波のような蛍の光は、その後50年の歳月の中でも見たことのない、記憶の中にある感動です。蛍は人を恐れず、手に乗り移って光っていました。

海の波といえば、早朝暗いうちに浜に出ると、遠くに烏賊釣り漁船の集魚灯が輝いていてとても美しかったのを覚えています。強い潮の香りとそれを乾かす太陽の光が生命を讃えているように輝いていました。

村祭りの漆黒の夜には、大きく傾く月とオリオン座が川の土手を照らしていました。

小学校では宮沢賢治の童話に出てくるような薪ストーブが部屋の真ん中で焚かれていました。校庭には二宮尊徳像があり、まねて本を読みながら歩いてみるのが癖でした。

その村が、この津波に呑まれることになったということは未だ信じてはいません。まだ彼の地の情報が入っていないこともあります。けれども大きな街である隣の大船渡があのような惨状ですので、おそらく無理だろうと思います。

生命は一瞬の輝きです。一瞬の美しい輝きだからこそ大切に愛おしんでいきたいと思います。私のふるさとは失われることとなりましたが、私のふるさとが作った私の身心はまだ生きることを赦されてここにあり、ふるさとの生命を私の中で輝かせています。私はこの生命を大切に生きていこうと思います。

そして私は、今までよりもさらにしっかりと自分の道を歩まなければならないと、この大震災に際して思っているところです。
..腹診術の起源


西洋医学の腹診は内臓の臓器そのものの診断にその重点が置かれていますが、東洋医学の腹診は五臓六腑の機能が充分に発揮されいてるかどうかということを判断するために用いられます。そのため、西洋医学の腹診より繊細で応用範囲が広くなっています。

広く知られているように腹診という言葉は日本で生まれ日本で発展しました。そのもともとの示唆、起源は『難経』および『傷寒論』にあります。張仲景は『傷寒論』を著述するにあたって『難経』を参考にしていますので、『傷寒論』におけるさまざまな腹証に対する記載は、『難経』の腹診を検証する中から生まれてきたと見るのが妥当でしょう。『難経』には腹診法の概要が大まかに示されており、『傷寒論』には実際の処方と腹壁の状態とが示されています。張仲景が必死で体表観察をしていたことがわかります。

『傷寒論』の中には、心下痞、心下満、胸脇苦満など腹診証候を提示することで選薬の参考としている記載が多数あります。けれども、腹を医師に見せるのが時代を下るにつれて憚(はばか)られるようになったためか、大陸においてはその後大きな発展はありません。


それに対して日本では戦国の世の末期、室町時代に按腹の技術などをベースとして起こり、江戸時代にいたって独特の発展を遂げることになります。手技治療の部位としての腹ということから、診断部位としての腹への認識が高まり、ついには「腹診」という独特の分野を築くに至ったわけです。


日本の医学は仏教が伝来した奈良時代から、僧侶が中心となって大陸から伝えられ、僧と医を兼ねる者たちを数多く輩出しました。これを僧医と名づけています。鎌倉時代になると禅宗が武士の間で盛んになり、禅宗の僧侶が宋に留学し、その当時の医学の精華を日本国内に輸入しました。この流れは室町時代に入ってさらに深まり、禅宗を中心とした僧侶が医学を含めた学問全般の主たる担い手となっていきました。


このような日本における医学の伝承の中で、按腹および腹部打鍼術は生まれています。おそらくは禅の修行を通じて発達したものでしょう。それは、臍下丹田に気を収めることによって、心身の重心が定まり止観を修し、諸病を癒すことができるという修行の知恵に基づいていると思われます〔注:『天台小止観』治病患など〕。

自らの死を見極めつつ生きた戦国の世にあって、武士は禅をその修行法としました。ここに武士道と禅と腹診との結びつきが生まれることとなります。その結果、邪を祓う正義の剣としての鍼と槌が工夫されました。


臍下丹田の一点を定めることを重視する点で、当時の腹診法がその根本を『難経』の腎間の動気の記載に求めたことは、理において当然の帰結です。そしてこの点が非常に重視されたことが、その後の日本医学の確立においても独特の光芒を放つこととなります。いわば、中心を持つ気一元の人間観が日本医学の根本概念として確立されることとなったわけです。


日本医学の再興の祖と呼ばれている曲直瀬道三も禅僧でした。この曲直瀬道三を継いだ曲直瀬玄朔が最も古い「傷寒論系」の腹診図である五十腹図・百腹図を最初に著している〔注:大塚敬節著作集第8巻304頁〕ということも、偶然ではありません。ただこの腹診図は秘せられていたため、世の中にその存在が知られるのは、江戸時代の中期に入ってからです。


世の中に出た腹診法の始祖は松岡意斎ということになりそうです。森中虚はこれを「病人の腹を観、腎間の在所を切かに識って死生吉凶をさとる、これを腹診と言ふ」〔注:『意中玄奥』〕と述べています。


大塚敬節氏は『腹診考』の中で難経系腹診と傷寒論系腹診とがあると明確にされています。が、『傷寒論』そのものが『難経』に基づいて実地に展開されていることを考える時、より原理原則に立ち返って気の偏在を眺めることをその診察の中心におく鍼灸系の治療家たちが『難経』流の腹診を本としたのは当然のことと言えるでしょう。『傷寒論』を書いた張仲景も同じように気の偏在を観察しながら、湯液をより使いやすいように腹診結果を記述していったと私は考えています。

ここにおいて、湯液を使う際の便法としての腹診法と、生命の動きそのものを記載しようとする腹診法とが並立することとなるわけです。もし張仲景の道を真に求めるのであれば、弁証論治をして気の偏在を見極める中から『傷寒論』における腹診結果を批判的に読み直すという作業が必要となることでしょう。



ベルナール・ビュッフェ


先日銀座のソニービルの裏通りを、ランプや骨董をみながらぶらぶらと歩いていたところ、立派なドアのあるビルの奥に大きなビュッフェの風景画が掛かっているのが目に止まりました。畳一畳ほどもあるでしょうか。奥にはビュッフェの騎士の絵があり、それに並んで港の風景画が掲げられていました。

何と堂々たるビュッフェ。その揺るぎない黒いエッジはまるで法の支配の大切さを語りかけ、秩序正しい支配というものが美につながり、そこに喜びと愛と平和の花が咲くということを雄弁に語りかけてくれているようでした。

沈黙の語り合いの中で私はビュッフェの魂の崇高さに触れた気がし、私の心の中に深い充足感がもたらされたのでした。何と偉大なるかなビュッフェ!一幅の絵をもって、美による秩序がもたらす深い安らぎを与えてくれるとは!

この出会いに触発されて帰宅してネットを調べてみると、ビュッフェが非常に有名な画家であることがわかりました。なおかつ、銀座が画廊の聖地と呼ばれていることも初めて知りました。なんと2000件以上の画廊が銀座にはあるのですねぇ・・・

銀座という街が華美に走らずどことなく気品があるのは、絵を理解する感応の心を持ち合わせた人々が住んでいるためなのかもしれません。
..灸ペットの使い方


ここで私が述べているのは、灸ペットをプロとして治療効果をあげることのできるように使用する方法です。

この他に一般的な使用方法として慰安的に用いる用い方があります。それはより安全度の高いレベルとなります。いわゆる、全身のここがという場所を温めほぐす効果を高めていく使用法となります。使いすぎによって疲れが出るような場合は、使用時間を短くする、バランスのよい部位を用いるなどの工夫が必要となります。

灸ペットは、たにぐち書店のホームページから求めることができます。定価13,650円です。


...現代の熱鍼治療器:灸ペットの使用法について


灸ペットは、東洋医学の理念を用い、より強く深く経絡を温通させることができる道具です。

基本は遠赤外線の効果がピンポイントで発揮できる器具です。皮膚面における直接灸の温度をよく研究して作られていますから、灸の代替を基本とし、さらに圧迫にすることができるため、透熱力を高めることに成功しています。ヤケドの危険が非常に少ない点灸となり簡単に八分灸もできます。また使い方によっては無煙の棒灸の代替にもなります。

・圧のかけ方によって温めるべき深さを自由に調節することができる。
・施術部位を痛めないので、施術前後の経穴の変化やその部位の変化を観察しやすい

といった特徴があります。


灸ペットは、危険がなく使いやすく効果的です。けれども安易な使い方をしても、治療にはたいして役立ちません。的を絞ってそこを撃つ必要があります。このあたりも、鍼灸という道具を慰安の道具として按摩の代替品にさせてしまいやすいことと通じるものがあります。

けれどもここに、東洋医学の基本である弁証論治を基本とした四診術を加味し、正確な切診を行い、目標となる一点を定めて処置するならば、非常に高い効果を得ることができるようになります。


ただし、灸ペットには大きな欠点があります。それは処置している時には付きっきりでなければならないということです。置鍼やせんねん灸や灸頭鍼のように放置しておくことはできません。ですので手がない治療院やあまりにも多忙な状況で治療をしている場合には不適切です。

また欠点とは言えないかもしれませんが注意点があります。それは、最初はあまり熱さを感じなくとも、ある閾値を超えると痛みのような熱さを急に感じることです。これは遠赤外線を発する機器の特徴なのかもしれません。患者さんに対して使用する時、よくよく注意する必要があります。熱さを感じるまではしっかりと当て、熱さを感じた後は、その熱さを維持できる程度に当てたり離したりする工夫が必要です。



...基本的な使用法


かざして使用すると、遠赤外線効果を持った鍉鍼として使えます。

そのまま接触させると点刺激となり、点灸と同じような熱さを与えることができます。点灸と同じ高さの熱として設定されていますので、圧迫は瞬間的にしかできません。経穴の深さに応じて対象部位を最初に少し圧迫しておいて経穴を表面にさらすような状態にして用いると、経穴の変容を得やすくなります。

また経穴を揺らすように叩打するという使用法もできます。陽気を入れながら叩打するわけですから、その効果は普通の叩打をはるかに凌駕するものとなります。

ハンドタオルなどの布をかぶせて使用すると、熱が緩和されて圧迫しやすくなります。深い経穴に簡単に熱を入れることができるようになるわけです。かぶせる布の厚さによって、経穴という点を狙う効能から面として温めていくという深さと広がりを持ったものとなります。布の厚さを厚くしていくと熱が緩和されて圧迫しやすくなり、温めることのできる範囲が広くなるわけです。棒灸や温灸のような広がりを持つこととなります。とうぜん無煙です。

また同じ経絡上で数点あらかじめ選択し、そこを各々の深さで温めるということも簡単にできます。いわゆる温通経絡などの温補機能を簡単に発揮することができるわけです。これは治療に際して大きな武器となります。

さらに布をかぶせることによって滑りが良くなりますので、温熱の軽擦ができます。そこにオイルや薬剤などを含ませることもまたやろうと思えば自在にできるわけです。―ただ私はそこまで深い使い方はしていません。


以下、さらに詳細に述べていますけれども、これは実は贅述です。施術者を目指す方は自身で工夫しなければなりません。その部位に温熱を入れるということは何を意味しているのかということをよく考えて、頭を柔らかくし、温熱の入り具合を工夫し、経穴の反応の変化をよく観察しながら使われるとよいと思います。



...鍉鍼の替わりとして


アプローチする対象:経穴の中の緩んでいる冷えているもので、一点の明確なものに用います。感覚の敏感な人、感応しやすい人に用います。

手技:選択した経穴の側面に術者の次指と中指を置いて入っていく熱の度合いを測りながら、灸ペットを2センチほど離して垂直にかざします。脉を診、経穴の変容を確認して処置を終えます。

目的:経穴を動かすことによって、経穴効果が発揮されることを狙います。


...点灸の替わりとして


アプローチする対象:経穴の中の緩んでいる冷えているもので、一点の明確なものに用います。

手技:一点を見定め灸ペットを直角に接触させる。点灸が燃え尽きる一瞬と同じように一瞬(この長さを調節することによって刺激の強さ熱の入り方を調節することができます)、十回を1クールとして接触させ、1回指で圧して熱の入り具合経穴の変化を確認します。これを5クールから10クール行う。指で圧して経穴の側から熱が泄れ出すのを度とします。

当たる面が最も小さく、熱が速く入りやすくなります。

目的:経穴を動かすことによって、経穴効果が発揮されることを狙います。



...温通経絡


アプローチする対象:経絡経筋の走行中における緩み寒えと腫れ熱

手技:

◇冷えている部位には、その冷えの広さ深さを明らかにした後にその広さ深さを少し超える程度の範囲で暖めていきます。狭いものは上記経穴で述べた手技を用います。広さに合わせていくためには布を介します。そうすることによって、熱が少し弱くなり浸透力が増します。深いものには深く圧して行います。ことに深さはよく診て、その深さを暖めなければ効果が上がりません。

◇熱のある部位には、基本的にその熱を押し流すという発想で施術します。熱を押し流すためには熱が必要です。灸の熱を用いて押し流す力を強くさせようとするわけです。ただし、炎症部位などの強い熱に対して用いると悪化させることがありますので注意します。悪化させるようなことがあっては決していけません。アイスノンなどで冷やして直接熱を取る方が熱鬱には効果がある場合があります。用心深く選択しましょう。

◇腫れている部位には、熱の有無に注意しながら施術します。熱鬱の状態でなければ施術によって熱が取れる場合があります。先ず腫れの周囲に緩みや陥凹があるかどうか摸ります。腫れの周囲に緩みや陥凹があればそこが施術ポイントになりますので、点灸の所で述べているとおりに施術します。それで取り切れない場合、腫れの中心を灸を横にして叩打します。熱をより強く与えるためにはタタタタと速く叩打します。その部位の腫れの強さに従って調節します。腫れが取れる少し手前で終えます。

◇堅い部位は腫れている部位と同じように、先ず堅い部位の周囲に緩みや陥凹があるかどうか摸ります。堅い部位の周囲に緩みや陥凹があればそこが施術ポイントになりますので、点灸の所で述べているとおりに施術します。それで取り切れない場合、堅い部位を動かすために先ず熱をよく入れるようにします。熱をよく入れるためには、日本手ぬぐいを二枚折りにして、それを介します。日本手ぬぐいに堅い範囲に及ぶように灸のサイドを用いて圧します。堅さの深さもよく診る必要があります。それによって圧する深さを変えます。

◇四つ折りの日本手ぬぐいを灸ペットの先端に巻いておき、狙った経穴を圧します。先ず患者さんが熱感を感じるまで圧します。灸ペットを外してその部位の熱の入り方を摸るとともに堅さの変化をみるために指頭あるいは掌で圧し、再度灸ペットで5数えるということを繰り返し、熱が充分に入ることを基準として止めます。灸ペットを5圧して指頭あるいは掌で5圧するということを何クールか繰り返し、その場所から熱が泄れ出るのを度とします。いちおう20クールあるいは15分を度とします。



...全ての操作の終わりのまとめの大事


全ての施術の終了時には必ず立ち戻る位置があります。それは臍下丹田です。そこに意識を充分に納めるということが、東洋医学の基本です。またこれが治療によって起こりうる眩暈などの偏差を避ける方法でもあります。

日本手ぬぐいを四折りにして、臍下小腹の任脉上でもっとも緩んでいる部位にその緩みの深さを確かめながら灸ペットを用いて圧していきます。先ず患者さんが熱感を感じるまで圧します。灸ペットを外してその部位の熱の入り方を摸るために掌で圧し、再度灸ペットをあてて5数えます。5圧して5手掌で確認するということを1クールとして10クール行って終えます。

これは温石などで代用することもできます。

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