一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

勉強治療会は、年に一回、八月に行っています。
このファイルはその勉強治療会の一元流鍼灸術の中での位置づけを述べているものです。

一元流鍼灸術のメインコースでは、基礎理論を学びつつ自身の弁証論治をすることを通じて、一元流鍼灸術の基礎を学んでいきます。

ことに大切なことは、気一元の身体観に基づいた身体観を身につけるということです。ここにおいて私たちは古典を越え、言葉を越えて、身体そのものの神秘を学ぶ基礎を身につけようとしているわけです。

勉強治療会でやることはそれらの基礎に基づいて、さらに個別具体的に、経穴にアプローチし、どのように経穴などの四診状況が変化するのかを確認していきます。そして、なぜそのように変化したのか学ぶわけです。

こ のことを通じて、鍼灸という道具を通じて自分が何をしているのか探究していくわけです。実はこの探究は、日々の臨床の中で行われるべきことです。けれども 日々は日常に追われて惰性にまみれがちとなります。そこでもう一度初心に戻って、一穴一穴の処置およびそれに対する反応を探究する機会を設けているわけで す。

これはいわば、実戦の鍛錬とい うことになります。それを通じて、同じ経穴にアプローチしていても、自分がやって起こる反応と、他の人がやって起こる反応とが異なる場合があるということ を知ることができます。そのことを通じて、より精密な手技の探究というレベルまで話が深まっていくことでしょう。

メ インコースではよく、手技の中に補瀉はない、ということを述べています。経穴という相手、あるいはその経穴を保持している患者さんがそこにいるからこそ、 そこに相互の関係性が生じて、補瀉あるいは経穴の形状の変化をもたらす技法が生まれます。補瀉という言葉にしても虚実という言葉にしても、その実体をどう 見ていくのかという明確な理解がされないまま、伝統に依存して語られすぎているのではないでしょうか。東洋医学において使われているこのような言葉が、い かに漠然としたいい加減なものであるのかということが、勉強治療会を通じて理解できるでしょう。そして我々は、新しいほんとうに使える鍼灸技術を、一つ一 つ確認しながらこの勉強治療会で習得しようとしているのです。

も ともと鍼灸を基礎として構築されている東洋医学は、その初めから体表観察に基づいた養生治療であったということが言えます。養生を極めていくことを通じて さまざまな症状を取り除こうとしている医学である、という言い方もできます。けれどもそこには自ずと限界があるということも理解される必要があります。古 来死ななかった人間はいないわけですから、その前には必ずなんらかの病があるわけです。そしていかに養生をしようとも、誤治がそこにあろうとなかろうと、 最後には死んでいきます。

我々はその死にゆく身体に抗しつつ、今まだ生きている、その生命の質を向上させるために、養生の手助けとしての鍼灸を行っています。東洋医学が養生の手助けを確実にすることができるということこそ実は、われわれが誇り喜ぶべきことです。

ー元流鍼灸術はこのように東洋医学を未来に向けて洗い直しています。そして東洋医学はここにおいて新しい生命を得ることができるでしょう。

東洋医学が、長い歴史を通じて積み重ねてきた妄想から覚めるには、まだまだ時間がかかるでしょうが、そこから目覚めるための技法、探究方法を、勉強治療会を通じて構築していきたいと思っています。
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