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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

患者さんの身体に異変が生じたとき、その異変に対して直接的に対処しようとするものを表の治療と呼びます。それは、症状と格闘しなんとかその症状を取り去ろうとするものです。それに対して裏の治療とは、患者さんの身体にその症状を現すに致った体質の変遷や状況の変化に着目し、その根本的な状態を変えていこうとするものです。

弁証論治は、この両方に用いることができますけれども、時系列を追って患者さんの状態の変化を把握し、病因病理を考えて治療する一元流鍼灸術の方法論は、その基本において裏の治療に必要不可欠なものであると言えます。

表の治療の代表的なものは、民間療法や西洋医学ということになるでしょう。これは生命力そのものを見つめる姿勢に欠落しているため、症状を治めるためには非常に効果が上がったとしても、その体質を向上させるためには無力であるばかりか、かえって生命力を損傷させる事態を呼び起こすこともあります。

小手先の技術を磨くことを恐れる理由は、表の治療において効果を発する能力が向上する反面、生命力そのものを損傷させる能力も高まっていくためです。生命に対する理解を伴わない技術というものが、人身に対して害をなすことを恐れます。

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