fc2ブログ

一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/


肝は人の生きる意志でもあり、意識や感情や欲望とつながりがあります。意識でコントロールできる臓です。また肝は気の昇降出入を主ることから、他の四臟や経絡などの生命力が不安定になるとそれを側面から支えるように働きます。

このことは、生命力の乏しい人には、特に明瞭となります。生命力が乏しい人は、他の人と同じように活動しようとしても、そのあるがままにある状態では、持っているものそのものが少ないため動けません。そのようなとき、肝が作動して無理に生命力を立ち上げあるいは偏在させて、その時々の生理機能を行おうとしています。考えると頭に生命力が集まって、手足が冷えたり食欲がなくなったりします。また食事をとると胃腸に生命力が集まって、手足や頭がおろそかになり、手足がかえって寒えたり考えることができなくなったりします。便通や排尿といった生理的活動をする際にも、日常的に肝を発動させなければならないほど、生命力の乏しい人もいます。気張らないと便通が出にくく排尿もしにくいような人がこれにあたります。

病となるとその生命力が病と闘おうとしてその戦いの場に集まるため、他の部位にいく生命力が乏しくなります。そのため食事をとる量が減少することがあります。このような状態の時に無理に食べようとすると、肝木の作用によって生命力が胃腸に集められることになります。

このように無理に何かをするという際に発動されるものが肝なわけです。無理や緊張によって行われる行為すべてが、肝と関わります。火事場の馬鹿力と呼ばれるものも、肝が発動していることを表現している言葉の一つです。

あるがままにリラックスして日常生活ができるような場合には、肝は関わってはいません。身心のことを忘れて、何かやりたいことを自由にやっている状態です。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://1gen.blog101.fc2.com/tb.php/220-76c833d5

この人とブロともになる