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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

肝の化粧


誤解してはいけないことは、肝鬱になるにはその理由があるということです。多くの場合、生命力の弱さがその背景にあるということは、上記しました。それをカバーしていくために人は、肝気を張って頑張るという状況を作り出します。

元気に活動している間は顔色がよくそれこそ元気そうに見える人でも、横になって気がゆるむと突然顔色が抜けてしまう人がいます。本来は疲労しているのにそれを表面化させないため気を張って元気そうにしているわけです。このことを肝の化粧と呼んでいます。

そのような人は、舌象や脉状も最初のうちはよく見えたりするものですが、治療がしっかり入ると悪くなります。本来の生命力の状態が現れてくるわけです。けれどもご本人はそれですっきりした感じになります。無理がとれているからです。

疲れている自分を奮い立たせるために肝気を張っている。肝気を張っているためによけい疲れやすくなる。その悪循環が身体を深く深く痛めつけていたわけです。治療によってその悪循環がとれて、本来の弱い生命状況を表現するゆとりが出てきたわけです。

本来の生命力は徐々にしか変化しません。それに対して急激な変化が外界からもたらされることはよくあります。この外界のスピードに対応して、人の活動量を変化させているものが肝です。

けれども、本来の生命力の状況に対応して肝をコントロールしていかなければなりません。力を抜くことを知らずに頑張り続けることは、とても危険なことです。上記したような、疲れ果てているのに自分では気がつくことができない、という悪循環に入ってしまうためです。

この頑張りすぎが、大病のもとになります。
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