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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

第七章 生命の病因病理



この章では、集めた情報を再構成することについて述べていきます。

この一連の弁証論治の流れは、まだよくわからない身体という「一」を、まず軽く解体して分析的に「五臓の弁別」として見た後、再構成して全体の生命の状態を明らかにして、病因病理を作成するという作業をしているものです。

「一」から始まり「一」に帰っていくことによって、「生命をきちんと眺める」という最初の目的を見失っていないことに注意してください。



...生命の器


生命の舞台の上で、生命は踊っています。その踊っている生命を四診を通じて施術者はみているわけです。ですから、その踊っている舞台の構造について明らかにしなければ、その踊り方の謎は解明されません。生命の踊りがすなわち「生命の揺らぎ」です。

生命の構造の基本的な骨格が、「臍下丹田を中心とした気一元の生命」という大きな枠組みで捉えられたものであり、「肝木の身体観」という構造をもっていると見ることができるということについては、すでに述べました。

その構造に乗って生命は踊っているわけですが実は、その踊りにしたがってその構造そのものも緩やかに変化していきます。生命の舞台も生きており、ゆるやかに変化していくわけです。これは、先天的な素質によるものであり、生活の癖によるものであり、また性格の癖によるものでもあります。そして、人生を通じて、生活の癖や性格の癖が強調あるいは減殺されつつ、個別具体的な生命の違いとなって一段階深い生命の舞台の構造として形作られていくわけです。

このもっとも基本的な部分は、先天の生命にあります。先天の生命とは、両親から受け継いだ遺伝的な基質のことになります。その基質を基盤とし、その基盤がその後の食事や身心における生活習慣によって徐々に変容し、成長していきます。それが生命の舞台となり、揺らぎ踊る生命を裏で支えている構造となっていると考えているわけです。

基盤となっているわけですから、生命の構造は急に大きな変化をするわけではありません。けれども、身心を支え、もっとも深い影響を与えているものです。そのため、その基盤が時に応じて軋むと、治療を必要とする根の深い病気の原因となります。

この基盤となっている生命の構造のことを、「生命の器」と一元流鍼灸術では呼んでいます。

『一元流鍼灸術の門』には、この器の年齢による一般的な変化について述べてあります。専門的となりますのでここでは触れません。
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