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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

気一元として観る


もっとも基本的なことがこの、気一元の観点から観るということです。気一元の観点から観るということは、全体観を大切にするという言葉と似ていますが、少し違います。個別のものを積み上げて構成される全体を観るのではなく、初めに一として観る範囲を心の内に括り、そこから観ていきます。

この観方がどこで重要になるのかというと、陰陽や五行という概念で一を観るときです。陰陽や五行でまるごと一つのものを観るとき、そこには必ず間(あわい)があります。その間こそが大切であるということは、気一元としてみることによってはじめて理解できるものです。

存在を理解するために陰陽五行という概念があります。しかしこれは概念が先にできたのではなく、存在するものを見つめ続けた果てに揺らぎながら立ち上ってきた概念であると私は考えています。混沌たる存在をまるごと一つの生命としてみようと決意する。その決意にしたがって徐々に陰陽で見分けることができるようになり、徐々に徐々に五行を観ることができるようになる。まるで闇の中で目を凝らしているうちに目が慣れてきて、ものがはっきりと見えてくるような感じです。

言葉を替えて言ってみましょう。陰陽五行というのは抽象的な概念だと思われるかもしれません。がしかし、それはすでに陰陽五行という言葉が存在し成立している側から観ているためです。陰と陽とを積み重ねても、生きとし生ける気一元の生命にはたどり着きません。木火土金水の五行を何万回積み重ねても、生きとし生ける気一元の生命にはたどり着きません。生命を感じ、生命そのものに参入し、それをなんとか少しでも理解して整理していきたいという情熱が、陰陽という概念(切り口)を生み出し、五行という概念(切り口)を生み出したのだという、その原点に帰らねばなりません。
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