臨床の場は古典発祥の地
鍼灸をやっていく上で古典を学ぶということをどのように位置づけるかということは、「どういう鍼灸をしたいのか」で、答えが出てきます。東洋医学的な観点から身体をどのように把握するのか、ということに関心のない鍼灸師にとっては、古典など必要ありません。指の感覚を鍛えて後は営業に徹するというのがその目的に沿っているでしょう。
これに対して、あくまで東洋医学的な観点から身体を把握し治療を行いたいという鍼灸師であれば、ではその東洋医学的な観点とは何か。その立ち位置はいずこにあるのか、と問い合わせるためだけにでも、古典を読むことは必要になります。
その際にもし、東洋医学そのものがその当時の人間観を基にした観察によって成立しているということに思い至るならば、読む必要のある古典とは、古代の人間観を記載している哲学書や宗教書になるでしょう。これはすなわち、諸子百家を学ばなければならないということになります。
東洋思想が揺らぎながらもゆるぎなく立っていた時代、東洋医学は東洋思想の人間観を土台にしていました。
その思想の主流としては朱子学、儒教ということになります。宋代にできた儒教である朱子学は、その当時の古典である春秋戦国時代の書物を体系的にまとめなおしたものですから、東洋医学の古典である黄帝内経の人間観もこれを基にすれば理解しやすいのではないだろうか、とあたりをつけています。この朱子学の基となった太極図の解釈が、一元流鍼灸術のテキストの中で述べられているのは、そのためです。
このような人間観を基盤として、身体感覚を磨き、経絡を発想し適用し臓腑と経絡との関連を考え、天人相応の観点に立って不足を補いながら生きて働いている人体の構造を体系化したものが、まさに「黄帝内経」です。
この中の臓腑経絡に関する体系化は古代人が纏め上げた東洋医学的人間観の中核となるもので、一元流鍼灸術の柱の一つです。
しかし臨床の場は、古典発祥の地そのものです。ですから今、新たに書きとめられる症例報告は、それ自体が古典となっていきます。古典となすべく臨床を積み重ねていくわけです。
古典を臨床の場で読むためには、東洋医学的な人間観が真実か否かその前提を確認しつつ格闘し検証する作業が必要となります。そして、その結果自らの血肉となった人間観を手にして再度、患者さんを把握していくわけです。
鍼灸をやっていく上で古典を学ぶということをどのように位置づけるかということは、「どういう鍼灸をしたいのか」で、答えが出てきます。東洋医学的な観点から身体をどのように把握するのか、ということに関心のない鍼灸師にとっては、古典など必要ありません。指の感覚を鍛えて後は営業に徹するというのがその目的に沿っているでしょう。
これに対して、あくまで東洋医学的な観点から身体を把握し治療を行いたいという鍼灸師であれば、ではその東洋医学的な観点とは何か。その立ち位置はいずこにあるのか、と問い合わせるためだけにでも、古典を読むことは必要になります。
その際にもし、東洋医学そのものがその当時の人間観を基にした観察によって成立しているということに思い至るならば、読む必要のある古典とは、古代の人間観を記載している哲学書や宗教書になるでしょう。これはすなわち、諸子百家を学ばなければならないということになります。
東洋思想が揺らぎながらもゆるぎなく立っていた時代、東洋医学は東洋思想の人間観を土台にしていました。
その思想の主流としては朱子学、儒教ということになります。宋代にできた儒教である朱子学は、その当時の古典である春秋戦国時代の書物を体系的にまとめなおしたものですから、東洋医学の古典である黄帝内経の人間観もこれを基にすれば理解しやすいのではないだろうか、とあたりをつけています。この朱子学の基となった太極図の解釈が、一元流鍼灸術のテキストの中で述べられているのは、そのためです。
このような人間観を基盤として、身体感覚を磨き、経絡を発想し適用し臓腑と経絡との関連を考え、天人相応の観点に立って不足を補いながら生きて働いている人体の構造を体系化したものが、まさに「黄帝内経」です。
この中の臓腑経絡に関する体系化は古代人が纏め上げた東洋医学的人間観の中核となるもので、一元流鍼灸術の柱の一つです。
しかし臨床の場は、古典発祥の地そのものです。ですから今、新たに書きとめられる症例報告は、それ自体が古典となっていきます。古典となすべく臨床を積み重ねていくわけです。
古典を臨床の場で読むためには、東洋医学的な人間観が真実か否かその前提を確認しつつ格闘し検証する作業が必要となります。そして、その結果自らの血肉となった人間観を手にして再度、患者さんを把握していくわけです。
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