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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

名前に存在が付いているのではなく、存在に名前が付いている件

書物になると、何穴は何に効くという書き方しかできません。そしてそれを読んだ人々は、なるほどツボっていうのはそんなに効くものなのか、と驚いてその何穴がどこにあるのか探し始めます。

でもその前に気づくべきです。体表に経穴名は書いていないということに。何穴を初めて使った人は、ただ体表観察をしていただけだということに。そこで経穴を探り当て、その位置の目標として名前をつけたに過ぎないということに。

ですから大切なことは体表観察です。どのようなものをツボとするのか。そこをまず押さえていきましょう。

次に理解すべきことは、経穴に治療効果があるのではないということです。経穴は身体の一部のごく一点にすぎません。その経穴がどのような作用をその身体に及ぼすのかということには本来、個人差があるべきです。

人間の構造がよく似ているから、その体質やその時の状況を考えもせずに、現れているかどうかもわからない何穴が何の病に効くと信じてそのツボを動かすという、その発想そのものがナンセンスであるということに気がつく必要があります。

そのために個別具体的な人間把握の方法―弁証論治があるわけです。

一元流鍼灸術では、あるがままのものをあるがままに観て、あるがままそれを理解する、この弁証論治の方法を提供しています。
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