fc2ブログ

一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

肝木の木は、生命ある樹の木である


この勉強会に参加されている方には、バイリンガルの人が多いみたいですから、以下のように英語で書いた方が理解しやすいかもしれません。
KAN-MOKU is not THE wood (the wood means 'element' ) but A TREE(A TREE means 'Life')

このことは五臓すべてについて言えることです。生命を五つの角度から眺めたものが、木火土金水です。そのそれぞれは、構築物としての「もの」ではなく、生命の様態を表現しているものです。ここが古典を学ぶ上で非常に重要なところです。東洋医学では、臓腑経絡(日本)や臓象(中国)と呼ばれているものがそれです。西洋古典医学では、19世紀の細菌病理学の誕生まで支持されていた「四体液説」の背景にある「四元素」(「気・水・火・地」)も同じことですね。ひとつの生命を診ることを通じて、それを表現するために採った仮の言葉の群れが、古典医学です。構造的に表現するために、四や五という数学的な切り分けを行ってはいますけれども、実際の生命は分かれて存在はしていません。まるごとひとつの関係性としてそこにあります。ここを忘れて言葉に走ってしまう傾向が、東西の「学者」に根強いことは非常に残念なことです。


医学には、生きている患者さんが病んでいるという視点が抜け落ちているところが興味深いところですよね。まさに西洋の科学主義ががもともと反宗教反生命反キリストから発想されていることを示しているものであると思います。部品によってからだがつくられていると考えることを通じて、西洋医学における大きな発展がみられたことは、特筆すべきことです。

けれども看護学やこれから増えていくであろう介護学では、まだいのちのある生命をみることになるでしょう。それを通じて、科学的分析的な見方ではなく、より生命によりそうよう包括的な考え方の方が増えてくることでしょう。そのような時代にあって伝統医学とくに鍼灸の考え方は真に復興してくることとなるのではないでしょうか。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://1gen.blog101.fc2.com/tb.php/341-3dcba366

この人とブロともになる