fc2ブログ

一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

■ 続:陰陽問答


■ .陰陽のお話:問い

みかんで陰陽を語りましたが、ある方から、自分が使っているテキストには、
『陽』は天、『陰』は地と分けて書いてあるので、わかれているのかと思っ
ていたと話されていました。

もう少し、陰陽トレーニングをしてみたいと思います。


鍼灸の名著、杉山流三部書にも、『天は陽であり、地は『陰』である、・・
中略・・左は陽であり右は陰である』とあります。

こういった表記をみるときには、何を分けてみようとしてるのかという『場
の設定』の観点がとても大事ということなのですね。

みかんのお話で、私は、皮と実を陰陽にわけました。
では、右と左もみかんでも語れます。

みかんで考えて見ましょう。太陽は東から昇るので先に
陽があたるみかんの左側は陽、右側を陰としても考えることができます。
右左の陰陽ですね。みかんの見方で陰陽を語っている部分が違います。

天は陽であり、地は陰であるということを語っているときには、天地を
ひとくくりの場として考えているときの言葉ですね。このコミュのマークの
図も天地を陰陽で表現してあります。

明るいところは陽であり、暗いところは陰であると語っているときには、
光がある場所を設定しているということですね。大きくは昼と夜。
太陽の光が当たるところが陽、影が陰。そんな感じでしょうか。

男は陽であり、女は陰である。これは人間という動物をひとくくりにして
男と女にわけてみたのですね。

気は陽であり、血は陰であるといったときには、うっこの場の設定はなんて
いえばいいのでしょうか?。これは場の設定の仕方でいくらでも使える言葉
ですね。
たとえば、人間という場を設定しても語れます。肝という臓腑でも、肝気と
肝血という風に分けて語れます。これは場の機能と実質という分け方なのか
なと思うのですが、先生、いかがでしょうか?。
このあたりで私の限界がやってきました(^^ゞよろしくお願いします。


■ 日月の陰陽:答え


「それが陰陽関係にあるのかどうか」これが場を設定する上でとても大切な
こととなります。
関係ないものを陰陽で無理やり対比させても意味がありません。けれどもこ
のような言葉が巷にはあふれていて、この概念を混乱させる元になっていま
す。さらには、陰とは何々、陽とは何々などと、陰陽という言葉が対比を示
すものさしであるということすら理解できていない「似非陰陽家」が非常に
多いことには、愕然とします。

ここに集う方には、何が偽者であるのかきちんと見破ることができるように
なってほしいものです。

「一元流鍼灸術の門」の中にも書いていますが、代表的な陰陽の観方にも、
その時代の水準が反映されているものがあります。この代表的なものは、太
陽と月の陰陽です。日と月、それぞれに こざと偏 をつけて、「よう」と
「いん」と読ませることもするほど、これは陰陽の代表的な使用法です。日
本人の生活感としては太陽と月とが陰陽関係にあるということは常識の範疇
に入るものでしょう。ここではその感覚の内面を調べてみることにします。

日月が陰陽関係であるということが常識的なのは、一日に昼と夜とがあり、
昼を主るものが太陽であって夜を主るものが月であるという生活感覚が基礎
となっています。そして昼は明るくて夜は暗いという状態も、陰陽に対する
印象を固定化したものにしています。あぁこれが陰陽ということなのだなと
肌身で感じ取ることができる方が多いでしょう。

では、この日月というものがこれまで述べた陰陽関係でみるとどのように把
えられるのか。ここを今一度考えてみましょう。

日月が陰陽関係であるためには、その場の設定が必要となります。その場と
は一日の自然の運行を大きく一括りとしたものということになります。天地
の陰陽ではなく、天空を含めた自然の変化すなわち時間の経過を見通した上
で初めて、時間を一括りの場として観ているわけです。

これまで述べてきた空間的な括り方とは異なり、時間的な括り方がここでは
出てきているわけですね。

さて、現代人は、昼にも月が昇って沈むことを知っていますし、夜にも太陽
が地球の裏側で輝いていることを知っています。科学的な知識です。さらに
は、太陽系の中の一つの惑星が地球であるということも知識として理解して
います。この理解の上に立つと、月と太陽が陰陽関係にあるということなど
は、チャンチャラおかしい古代の妄想の類になってしまいます。いわば、そ
の時代の常識によって陰陽の把え方も異なってくるものだということですね。

そのため、このように陰陽の概念が再度、現代において整理される必要があっ
たわけです。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://1gen.blog101.fc2.com/tb.php/386-a133a4b1

この人とブロともになる