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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

11月の勉強会、読み合わせは、「経穴をみつけるための経穴
学」322pです。

ここが実は東洋医学すべての基礎となっているわけで、『黄帝
内経』や『難経』も、ここの探究から出ていると考えています。

いわば、生命が生命に触れるという、もっとも深刻な=大切な
位置です。ここを探究していくことを通じてのみ、古典を乗り越
え、未来に残る鍼灸医学を作り上げていくことができます。

これが、一元流鍼灸術の目標の一つです。


この位置の探究は、

1、実際に存在しているものと、その表現としての言葉との関係、

2、触れるという行為は、相手に触れているのか、それとも自身
の脳にある体験を追体験して整理しなおしているにすぎないの
か。

3、自分が過去に体験したものしか触れることができない。過去
に体験したことがらで整理されている概念のなかに、現在の体
験も押しこめられるころが多い。

〔伴解説:過去に体験したことがらを通じて、個々人それぞれの
今の概念体系ができあがっています。一度できあがった概念体
系を通じて、多くの人はその後の体験を整理していきます。そ
のため、大人になると世界が理解できたような気がし、マンネリ
のつまらない人生を送ることになります。なぜかというと、すべ
てのことがらが追体験にすぎなくなっているためです。しかし事
実としては今ここで起こる体験は、まさに一度きり今限りのこと
です。そのことについて述べています。〕

その意識の位置から出て、今、実際にそこにあるものに触れる
ことを感じることができるようになるためにはどうすればいいの
か。

ここには、乗り越えるべき高いハードルがある。このことを、理
解できているだろうか。


4、そのハードルを乗り越えて、新たに言葉をもつことができた
としても、それを実際に表現する時、そこには必ず自己の表現
体系(言語体系)が入らざるをえない。このようにして発せられ
た言葉が、原初の古典となって遺されているということを、深刻
に理解しなければならない。

5、人は、ほんとうに他者と共通の言葉を持ちえるのだろうか。

このような、深刻な課題と実はなります。

どの経穴がどのような症状に効果があるというような単純な問
題ではないということに、気がつくことができる人がどれほどい
るでしょうか。

このあたりのことは、言語学(栗本慎一郎『意味と生命』)や実存
主義(ハイデッガーやメルロポンティ)が、展開しています。

さらに言うならば、『般若心経』に描かれている、意識の位置、
禅の修行者が到達している、不立文字―無言の位置あるいは
論理としての「空観」あたりがすでに、この間の事情を表現して
います。ここは西田幾多郎が東西の哲学を橋渡ししています。
(西田幾多郎は難しいので、その分子生物学者による解説書を
紹介しておきます。『福岡伸一、西田哲学を読む』―生命をめぐ
る思索の旅)

現代の東洋医学者、石田秀実の絶筆である『気のコスモロジ
ー』―内部観測する身体も読みやすく総合的な理解を深めてく
れることでしょう。

とさまざまなことを述べましたが、ひとまず今は、「新たな気持ち
で経穴を診る」ということに心を砕いていきましょう。

ということで実技は、前回に続いて背候診を行います。診方、見
え方はどのようには変化しているでしょうか。
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