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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

■患者さんの身体を読む


病因病理を考えるということは、そこに存在している患者さんの身体を読む
ということです。古代において、人は小宇宙として捉えられ、天文地理を眺
め感じ読み取ることを通じて、人身の不可思議を相似的に把握しようとしま
した。天文地理という大宇宙と人身という小宇宙の双方ともに同じ法則があ
るに違いないと考えることは、生かされている奇跡を神の恵みに違いないと
感じ取ることのできる人間にとっては当然のことでした。

身体の秘密を知るということはまさに宇宙の神秘を知ることに他ならなかっ
たわけです。


一元流の弁証論治は、この古代人の把握方法を再構成したものです。


1、四診をして情報を集めます。

2、四診の情報を、五臓の弁別として五に分けてみて、その全体像を把握し
やすくします。

3、弁別された情報を、病因病理の観点からひとつの生命の流れに寄り添う
ような形で統合し、その人の生命の有様を明らかにしていきます。

4、見えてきたものの中心を記述するのが弁証項目で、治療法を記述するの
が論治項目としています。治療法は個別具体的に繊細になりますので、初期
段階でその流れを治療指針として記載しておきます。患者さんにできること
も治療法の一種で養生法でもあります。これを生活提言として記載します。

このようにして見、このようにしてその修復方法―治療方法の概略を明らか
にしていくわけです。

実際の治療経過を通じて本当に患者さんを理解できているのかどうか。それ
を再検討するための材料が、このようにしてできあがるわけです。

             伴 尚志
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