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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

■胃の気の脈診『図解/簡明鍼灸脈診法』2/5

■古典における「胃の気の脈診」


はじめに古典を紹介したうえで、伝統的に言われている胃の気の脈について、
1四時陰陽に従う脈
2名状もってするに難しき脈
3有力無力による脈
4一定の恒常性の有無を診る脈
5胃の腑の働きを直接候う脈
6中位にあらわれる脈
7衝和と弦急の脈
とそのまままとめています。古典の文言をそのまま訳し解説しているものです。
いわば古典の紹介ですね。



■「胃の気の脈診法」の生命観


次に藤本氏が自身の「胃の気の脈診法」に包含されている生命観について述べて
います。一元流鍼灸術の生命観にも通底する、大切なところです。

すなわち、
「胃の気をこそ土台にして諸々の情報が、脈状に現われることをすでに学習し
た。また、脈とは、胃の気そのものであることも我々は知ったのである。脈が
刻々と不断に変化することも、畢竟、胃の気(生命力)が様々な環境と影響に出
合い。個体維持の目的性にそうべく適応する多面的な”顔”であったのであ
る。・・・(中略)・・・脈診するということは、胃の気の多彩な”顏”盛衰を察
知することにこそ、その本領があったのである。」(26p)

この文章たいへん重要です。何回も繰り返し読み、しっかり理解していきたいと
ころです。

一言で言うなら、「脈診には生命力の状態がそのまま表れる」ということです。
生命力は、身心の内部状況です。生き物の内部状況は刻々と変化します。この
刻々と変化する内部状況が、刻々と変化する外部状況と出会うことによって、さ
らにさまざまな変化が起きていきます。

脈診には、このようなダイナミックに変化する生命力の内部状態が表現されてい
るわけです。ですから脈診においては、「生命力」すなわち胃の気、をまずは意
識して診なければなりません。胃の気の状況という場―舞台上に、個々の脈象が
表現されているということが、理解されなければならないわけです。

そしてさらに、胃の気の脈診の生命論として『老子』をとりあげ、「生きとし生
けるものの実相は、やわらかく、しなやかで、生き活きとしているが、死に赴き
枯れるものは、堅くもろいものである、と。「伴注:『老子』には」生命の実体
を直感的に記述している。」(29p)として、「胃の気の脈診法はこのような生
命論に基づくものであることに気づかねばならない」(同ページ)と藤本氏は語
ります。

生命とはなにか。あるがままの生命を表現しているものとして脈を診ること。こ
れが胃の気の脈診であるということ。まさに「脈診するということは、胃の気の
多彩な’顔’盛衰を察知することにこそ、その本領があった」(26p)と、藤本氏
は考えられています。脈が刻々と不断に変化することは、まさに胃の気の表れ―
生命力の表現であると。非常に雄大でダイナミックで自由な脈のとらえ方であ
る、と言えるでしょう。

ところが藤本氏は自身の腕力でその胃の気の世界―生命の世界を破壊していきま
す。


    伴 尚志

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