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一元流鍼灸術

一元流鍼灸術の解説◇東洋医学の蘊奥など◇HP:http://www.1gen.jp/

肥痩考


肥痩ということを考える前に、生老病死について整理しておく必要があります。けれどもこのことについては《一元流鍼灸術の門》でしっかり述べられていますので、そちらを参考にしてください。この〈肥痩考〉は、その人生行路における体重の増減の要素について考察したものです。


気一元の観点から身体が作り上げられるということをみていくと、以下のようになります。

口から入り→消化し→代謝してエネルギーに化し→吸収し→二便として出る

口から入るものとしては、飲食物と空気とがあります。飲食物は胃の系統を通じて入り、脾によって消化されます。その精気は脾の上昇作用にしたがって肺に上り肺の系統から入った呼吸とともに宗気を形成します。宗気は肺の宣散粛降作用にしたがって下って五臓を養い、さらにその清濁にしたがって栄衛に別れて全身を養います。また飲食物の糟粕は腑を通じて大小の二便として排泄されます。

六臓六腑とその生命力の流れである十二経脉と、その余得である絡脉や奇経などで形成されているものが身体のまるごとひとつの全体となります。


新陳代謝が悪いと、身体となる部分が増えて排泄部分が減ります。これは臓腑の働きが弱り、排泄能力も低くなっているわけです。けれどもこれはエネルギー効率が高いために少量のエネルギーの供給で活発な働きをすることができるとも言えます。ですから新陳代謝が悪いからといって病気であるというわけではありません。

新陳代謝が良いと、身体となる部分が減り排泄部分が増えます。これは臓腑の働きが強く、排泄能力も高くなっているわけです。けれどもこれはエネルギー効率が低いために多量のエネルギーの供給によらないと活発な働きをすることができないとも言えます。ですから新陳代謝が良いからといって病気であるというわけではありません。


新陳代謝が悪いものには、飢餓体質すなわち痩せにくい体質や橋本病などがあります。

新陳代謝が良いものには、太りにくい体質やバセドー氏病などがあります。


新陳代謝の悪いということと痩せにくいということとは相対的な問題です。ですからなかなか痩せれなくても、できるだけ代謝を上げる―すなわち外出して運動し、さまざまなことに思い巡らして気を遣い。感情を活発に働かせてできるだけ食べないようにしていると、内臓が弱り切らない範囲で痩せていくことができます。

新陳代謝の良いということと太れないということとは相対的な問題です。ですからなかなか太れなくても、できるだけ代謝を下げる―すなわち外出を控えて家でおとなしくし無駄なことを考えずに感情を安定させてぱくぱく食べるようにすることで、内臓が弱り切らない範囲で太っていくことができます。


太る痩せるという以上のような観点は、生理的なものとしてまず最初に押さえておくべきことです。


次により病的な要素として、水分代謝の不良によって起こる内湿や湿痰の問題があります。これはいわゆる、内生の邪として身体の気の巡りを阻害することとなります。これを蓄積している時には、当然のこととして排泄する力が弱くなっています。この状態に陥る初期には多くの場合、食べ過ぎや過労によって腎気が弱ったために、排泄が鈍ることが契機となります。この状態が大きな問題をはらんでいる理由は、排泄が鈍れば鈍るほど邪気が蓄りやすくなるという、悪循環に入りやすいためです。このような悪循環を是正するには大きな非生理的な力が必要となります。これを鍼で得るか漢方薬で得るかあるいは何か他のもので得るかということは選択の問題です。微温的な処置では追いつかないことが多いということは覚えておく必要があります。


太る痩せるということは、東洋医学的に考えるだけでも以上のように複雑な要素があります。中医学が述べるよう単純に、太るということは湿痰を蓄めることであるという発想は、非常に安易なものであるということが理解できるかと思います。
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